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父ちゃん母ちゃんへの手紙 〜表紙撮影秘話 2〜

 



まさにお会いした瞬間から

もう昔から知り合いのような友達のような感覚で

接してくれた石渡社長。

それがなによりありがたかったし嬉しかった。

撮影時間は、1時間足らず。

その中でどれくらいのパフォーマンスを繰り広げられるかが

こちらの勝負どころではあるが、不思議と既にイメージ的な絵作りは完成している。

もちろんその場のひらめきではあるのだが。。。


取材などの絵作りは、ほぼ全てカメラマンに任される。

編集者の方からは、抽象的なイメージを言われるだけ。

その瞬発力たるや「なかなか真似できないよ〜」なんて自負して見せてはいるが、

実は、その瞬間は己の限られた頭のCPUをそれこそフル回転し

与えられたメモリー量を広げるだけ広げて思いを巡らす。

撮影していると、集中心から冬でも大汗をかくなんてことはいくらでもあるのだが

まだ大汗なら良いが、どうしても浮かんでこないとやがて冷や汗となる。

焦りと苛立ちが身体を駆け巡り顔まで真っ青になるくらいである。

これまで何度それに立ち往生し苦しんできたことか(笑)


そんな苦しみは、まったくもって石渡社長の撮影では感じることなく

ぽんぽんとアイデアや絵が浮かんで来る。

これは、以前稲盛氏を撮らせていただいた時とかなり近い感覚でもあった。

一つの惚れ込み効果の現れもかもしれないね。

 「迫力がある写真」という編集者の方からの要望とは言え、あくまで女性である。

1ページいっぱいになる写真。それもお顔の超ドアップである。

撮影中「え〜〜マジですか〜?大丈夫〜?」と聞きながらも

「あ〜、やっぱりキャラクター的に言ったらやっぱりこっちよねー(笑)」

広報の石津さんまでが、大笑いしながらも

「社長〜!やっぱりこれですよー(笑)」

「そっかっ!いいやね!これでいいですっ♪」

そんな賑やかなやりとりをしながら現場は楽しく進んでいく。

やっぱり現場はこうでなくちゃいけない。

たとえ堅苦しいことを迫られるミッションだろうと

実行者たちは柔軟な頭と気持ちでコミュニケーションをはかりながら

同じベクトルに向かって突き進むことが出来れば

思った以上に効果が出るはずだ。

そこで一番重要なことは「笑顔」。これが僕の大前提。


そんな撮影中から

石渡社長のとても素敵なところを新たに発見した。

これは、僕自身が感じたことなので彼女自身どう思われているかは定かではない。

勝手な僕の思い込みだけかもしれない。

けれど、こうした撮影でのご自分の立場で求められているもの

そしてその中でも自分のご意志ひいては会社の意思たるものを

感じさせてくれたように思えて仕方が無い。

経営者というのは、決して前に出るだけが仕事でもないし

もっと他の重要なる任務も数え切れないほどあるに違いない。

だからと言って

中には、写真嫌いで俺の写真はいらん!なんて

今だに言われる経営者もおられるのは事実だが、

自分の顔はその会社の顔だという責務を全うするのも

仕事のひとつではないかと思うのはたかがカメラマンごときの悪しきエゴイズムなのか。

しかしそんな瞬間を感じれるからこそこちら側としてはその時に持てる力全てを使い

どんな状態の撮影だろうとその方々の例え一部にすぎないだろうと

その社長の魅力そしてその企業の魅力を写し出すことに全力を注げるのだと思う。


お陰様でこの写真が掲載された後、

いろいろなところから高評価をいただけた。

たぶん石渡社長の廻りでもいろいろな反応があったとは思うし、

もしかすると嫌な心持ちにさせてしまったのかもしれない。

しかしその写真のお陰で今回このような素敵な仕事に繋がったというのは

言うまでもない事実なのである。





。。。。つづく





菅野勝男

 
2012/01/25