上田 令子/Reiko Ueda

見た感じどこからもそんなイメージなど
到底想像出来ないほどの女性
いや、正直に言ってしまうと女の子?といった感じ
携帯ショップでパケット通信は家族でシェアしたいと言えば
確実に10も20も下であろうショップのお姉さんに
「お父さんとですか?」と聞かれたことがあるのだとか。。。

 

そんな彼女からは「趣味が高じて。。。」などと
話しは聞いてはいたのだけれど
彼女が取り組む仕事への情熱は
類い希無い高い体温を感じさせてくれる
第三回目は「布がたり」というネットショップを運営している
有限会社アールの代表 上田令子さんに登場して貰いました。

 

上田令子
和風布地/和調生地通販サイト「布がたり」運営
有限会社アール 代表
奈良県 在住

 

どこにそんなパワーを秘めているのだろう?
ホンワカした雰囲気を持つ彼女と会うたびに疑問に思うくらいなのだが
お母さんからの話しではとにかく頑張り屋さんの娘だったと
勉強はそんなに好きな方では無かったのだけど
始めたらなにかにつけて根を詰めるタイプ
大学は英文科を選び気がついたらその道を究めるがごとく
大学院まで進み博士号まで取得してしまったという

 

彼女はなんと勉強していて気を失ったことがあるという経験まで持っている

 

勉強をしていて眠くなって寝堕ちするなどしょっちゅうで
授業中一番前の席で堂々と寝ていたような
僕などには全く想像不可能である

 

子供の頃からお母さんが洋裁を趣味にしていた影響で
「布」というものに魅せられはじめ自分も自ら洋裁を勉強し
何でも作ってしまう程の腕前に
しかも作り出すことへの拘りも半端ない
着る物でも「これあなたが作ったの?すごいわね」なんて言われたくない
どこかで買ったものだろう。。。と思わせるくらいの
手作りと悟られない程のクオリティを求める
一番の満足感や達成感を感じれる瞬間は「これ素敵ね。何処で買ったの?」と
聞かれる時だと彼女は笑う。

 

そんな中、お気に入りの布を探す苦労を重ねるうちに
きっと他の布好きな人も同じような苦労をしているはず
それならば、
ここに来たらなんでも揃う
自分のお気に入りの布がきっとみつかる
​いわば「知る人ぞ 知る!」みたいなお店
そんな存在価値のあるお店を目指して
和布を専門に取り扱うネット販売業を始めたという

 

生まれて初めての仕入れは
30種類2mの端布の袋詰めで3万円余り
それが創業15年後には数千という種類の在庫を揃えるに至ったが
そのほぼ全ての種類は彼女の頭の中に入っている
それは何故かと問えば
自分が良しと思えるもの
お客様がきっと欲しがってくれるであろうものを
一つ一つ自分の目でとことん吟味し
納得出来た商品だけを仕入れる情熱を持ち続けてこれたから

 

そんな妥協のない拘りの布選びが出来ているからこそ
お客様からの要望、希望などを聞いてる傍から
直ぐさま提案できる布を頭に浮かべることが出来るのである。

 

そればかりではない
こんな布を探しているのならば
他にこんな布もどうでしょう、こんな小物もありますよ、などと
自分がこれまで研究し発見したもので提供できるものは
なんでもあますことなくお客様に提案してくれるのだ

 

彼女は単なるネットショップ経営者ではないと僕は思う
話しを聞き入る毎に「布」というものを
どれだけ愛しているかということを深く感じさせてくれる

 

一本の糸から紡がれる布の温もり
なかでも日本という「和」が織りなす繊細な柄や色合い
それは人の体温とも結び付くものであろう

 

その布一枚一枚を
こよなく愛しその愛を丁寧に丁寧に同じ心を持ち合える人達と分かち合いたい

そんな純粋な気持ちが彼女の仕事の情熱というものに
織り込まれているような気がしてならないのである。

 

 

 

布の織りなすものがたりをお届けしたい、布でものがたりをつむぐお手伝いをしたい
そんな想いで名付けられたネットショップ 「布がたり」
これまでご提供させてもらったお客様からは、
その生地を使った手作り作品の写真が沢山届けられています。
街からは年々生地屋さんが減少している今日「知る人ぞ知る ここに来れば欲しい生地が手に入る」を
いつも心において新作を発信し続けられています。

 

2016/07/30