その一瞬を永遠に

どんな写真が撮りたいのか。
どんな人生を歩みたいのか。
この二つは、きっと同じ問いだ。
人が心から喜ぶ写真を撮りたい。
その一番近くにいる存在は、いつも被写体だ。
人生の年輪を重ねるほどに、人は自分の顔に責任を持ちはじめる。
生き方は、やがて表情となり、皺となり、眼差しとなって刻まれていく。
けれど私たちは、鏡の中の自分を本当の意味で見てはいない。
整えるために見るのか、比べるために見るのか。
そこに“生き様”を見つめる視点は、案外ない。
写真は、
その人の歩いてきた時間を静かに突きつける。
もし自分の写真を見て、
「ええ写真や」と心から言える瞬間があるなら。
それはきっと、自分の人生を肯定できた瞬間だ。
カメラマンはよく「一瞬」と言う。
けれどその一瞬は、偶然の切り取りではない。
人生という長い物語の中で、
積み重ねられた時間が結晶のように輝いた
ほんの一瞬のストーリー。
私は、その瞬間を「永遠にする」仕事をしている。
